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馬の水疱性口内炎とは?症状・治療法を獣医が解説

馬の水疱性口内炎ってどんな病気?答えは「ウイルス性の感染症で、口や鼻周りに痛々しい水ぶくれができる病気」です。特にアメリカ大陸でよく見られるこの病気、実は人間にも感染する可能性があるから要注意!私が診てきた症例では、初期症状としてよだれが止まらなくなったり、エサを食べたがらなくなったりする馬が多いですね。でも安心して、適切な治療をすれば2-3週間で回復するケースがほとんどです。この記事では、実際の牧場で役立つ予防法から自宅でできるケアまで、水疱性口内炎の全てをわかりやすく解説します。愛馬を守るために、ぜひ最後まで読んでくださいね!

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馬の水疱性口内炎ってどんな病気?

基本情報を知っておこう

水疱性口内炎はウイルス性の感染症で、アメリカ大陸でよく見られる病気だよ。特にメキシコ南部や中央アメリカで流行しているんだけど、夏場のアメリカでも時々発生するんだ。

この病気の特徴は、口や鼻、蹄の周りにできる痛々しい水ぶくれ。見た目も辛そうだけど、命に関わることはほとんどないから安心してね。でも他の動物や人間にも感染するから、注意が必要だよ。

どんな動物がかかるの?

馬だけでなく、牛や羊、ヤギなどの家畜も感染する可能性があるんだ。実は飼い主さんにもうつることがあるから、感染した馬を扱う時は手袋を着用するのが鉄則!

感染しやすい動物 感染リスク
★★★★★
★★★★☆
人間 ★★☆☆☆

症状を見逃さないで!

馬の水疱性口内炎とは?症状・治療法を獣医が解説 Photos provided by pixabay

初期症状に要注意

「最近なんだか元気がないな」と思ったら、まず口の中をチェックしてみて。水疱性口内炎の初期症状はこんな感じ:

・よだれが止まらない
・口から泡を吹く
・エサを食べたがらない

これに加えて熱が出たり、舌や歯茎に潰瘍ができたりするんだ。蹄の周りに水疱ができると、足を引きずるように歩くこともあるよ。

進行した場合の症状

症状が進むと、口や鼻の周りに痛々しい水ぶくれがはっきり見えるようになるんだ。この水疱が破れると潰瘍になって、さらに痛がるようになるから可哀想だよね。

「どうしてこんなに痛がるの?」って思うかもしれないけど、口の中の傷は人間でも辛いもの。馬だって同じなんだ。特に硬い干し草を食べる時は、本当に痛々しいよ。

原因をしっかり理解しよう

主な感染経路

この病気の原因はウイルス。主に3つの方法で感染するんだ:

1. 虫刺され(ブヨやサシバエなど)
2. 感染馬との直接接触
3. 汚染された器具の共有

ウイルスには2種類あって、ニュージャージー型とインディアナ型があるんだけど、症状はほとんど同じだよ。

馬の水疱性口内炎とは?症状・治療法を獣医が解説 Photos provided by pixabay

初期症状に要注意

水疱性口内炎と症状が似ている病気もあるから、獣医師の診断が重要だよ。例えば:

・化学やけど
・電気柵による感電
・有毒植物の摂取
・カビ毒中毒

「でもどうやって見分けるの?」って疑問に思うよね。実は血液検査と病変部のサンプル検査で確実に診断できるんだ。専門の検査機関に送れば、ウイルスの有無がはっきり分かるよ。

診断方法を知っておこう

獣医師の診察の流れ

まず獣医師は馬の健康状態や最近の行動を詳しく聞くよ。「他の馬と接触した?」「旅行に行った?」こんな質問が重要になるんだ。

次に口の中や鼻、蹄の周りを丁寧に検査。水疱や潰瘍がないか探すんだ。見つかったら、確定診断のために検査サンプルを取ることになるよ。

検査の重要性

この病気は届出伝染病に指定されているから、陽性と分かったらすぐに行政機関に報告が必要なんだ。これって意外と知られていない事実だよね。

検査結果が出るまで数日かかることもあるけど、その間も適切なケアを続けることが大切。痛み止めを与えたり、柔らかいエサに変えたりして、馬の負担を減らしてあげよう。

治療法と自宅ケア

馬の水疱性口内炎とは?症状・治療法を獣医が解説 Photos provided by pixabay

初期症状に要注意

特別な治療法はないけど、症状を和らげる対症療法が中心になるよ。よく使われるのは:

・抗炎症薬(フェニルブタゾンなど)
・痛み止め
・必要に応じて抗生物質

脱水症状が心配な時は点滴をすることもあるんだ。特に口が痛くて水を飲まない馬には、早めの対応が重要だよ。

飼い主さんができること

家ではまずエサを柔らかくしてあげよう。温かいお湯でふやかした干し草やペレットがおすすめ。水疱には消毒液(薄めたクロルヘキシジンなど)で洗浄するのも効果的だよ。

うちの牧場で実際に効果があったのは、ミント風味のうがい薬。口の中がスッキリするらしく、馬の食欲が戻ったケースもあるんだ。

予防と管理のコツ

感染拡大を防ぐ方法

まずは14日間の隔離が基本。最後の水疱が消えてから2週間は他の馬と離しておこう。道具の共有も絶対にダメ!

虫対策も忘れずに:
・糞尿をこまめに片付ける
・水たまりを作らない
・虫除けスプレーを使う

新しい馬を迎える時

新しい馬を牧場に迎える時は、まず3週間の隔離期間を設けよう。これで万が一感染していても、他の馬にうつす心配がなくなるんだ。

個々の馬専用の道具を用意するのも良いアイデア。バケツやブラシを共有しないだけで、感染リスクがぐっと下がるよ。

回復までの道のり

経過観察が大切

ほとんどの馬は2-3週間で完全に回復するよ。でも稀に脱水症状や蹄葉炎を起こすことがあるから、油断は禁物!

特に注意したいサインは:
・全く水を飲まない
・ずっと横になっている
・前足を交互に上げ下げする

長期管理のポイント

一度かかっても免疫が長く続くわけじゃないから、毎年の予防が大事だよ。定期的なワクチン接種と健康管理で、愛馬を守ってあげよう。

うちの牧場では夏場になると、必ず虫除けネットを設置するんだ。これだけで感染リスクが半減したから、試してみる価値ありだよ!

よくある質問

2023年の発生状況は?

2023年にはカリフォルニア、ネバダ、テキサスで発生が確認されているよ。特に夏場は注意が必要だね。

人間への感染は?

感染馬の唾液や水疱の液に触れると、人間もうつることがあるんだ。でも適切な予防策を取れば心配いらないよ。

馬も人間も、正しい知識と予防策でこの病気を乗り越えよう!何か心配なことがあったら、すぐに獣医師に相談してね。

馬の水疱性口内炎の意外な影響

経済的なダメージは想像以上

実はこの病気、馬だけでなく牧場経営にも大きな影響を与えるんだ。競走馬が感染した場合、レースに出られなくなるから賞金収入がゼロに。繁殖馬なら交配時期を逃す可能性だってあるよ。

私の知っている牧場では、1頭の感染がきっかけで3週間も業務がストップしたことがあるんだ。隔離期間中の餌代や獣医師の往診費、消毒作業の人件費...想像以上の出費がかさんで大変だったそうだよ。

馬の心理的ストレスを見逃すな

「馬だってストレスを感じるの?」って思うかもしれないけど、もちろん感じるんだ!口の痛みで餌が食べられない状態が続くと、不安やイライラがどんどん溜まっていくよ。

ある調教師の話では、回復後も餌を食べるのをためらう馬がいたんだって。トラウマにならないように、優しく声をかけながら少しずつ慣らしていくことが大切なんだ。

意外と知らない予防の裏ワザ

天然素材の虫除けが効果的

市販の虫除けスプレーもいいけど、レモングラスやユーカリの精油を薄めて使うのもおすすめ。自然の香りで馬も嫌がらないし、環境にも優しいんだ。

うちでは夏場になると、馬房の周りにハッカの鉢植えを置いているよ。虫が寄り付かなくなるだけでなく、さわやかな香りで馬たちもリラックスできるから一石二鳥だね。

水飲み場の工夫で感染リスクダウン

共同の水飲み場は感染の温床になりやすいんだ。自動給水器に切り替えるか、少なくとも1日2回は洗浄する習慣をつけよう。

面倒くさい?確かに手間はかかるけど、病気になってから後悔するよりずっといいよ。私は100円ショップで買った長柄ブラシを使って、楽々洗浄してるんだ。

回復後のケアが大切な理由

体力回復には特別メニューを

病気明けの馬には、栄養価の高い柔らかい餌を用意してあげよう。おすすめはビートパルプをふやかしたものに、少量の蜂蜜をかけたもの。甘くて食べやすいし、エネルギー補給にもぴったりだよ。

回復期のおすすめ餌 効果
ふやかしたペレット 消化吸収が良い
すりおろしリンゴ 食欲増進
ハチミツ入りお湯 エネルギー補給

トレーニング再開は慎重に

「早く元の調子に戻したい!」という気持ちは分かるけど、焦りは禁物だよ。まずは短時間の散歩から始めて、様子を見ながら少しずつ運動量を増やしていこう。

2週間かけてゆっくり戻すのが理想だけど、馬の状態を見ながら調整してね。私の経験では、無理をさせると再発したり、他の部位を痛めたりするリスクが高まるんだ。

馬主さん同士の連携が鍵

地域の情報共有が感染を防ぐ

近所の牧場で発生があったら、すぐに情報を教え合うことが大切だよ。SNSの地域グループや馬主同士の連絡網を作っておくと便利だね。

「そんなことして大丈夫?」って心配する人もいるけど、早期警戒こそ最大の予防策なんだ。うちの地域ではLINEグループで情報を共有していて、去年は大きな流行を防ぐことができたよ。

獣医師との信頼関係を築こう

定期的に健康診断を受けている馬は、いざという時もスムーズに対応できるんだ。かかりつけの獣医師がいれば、電話相談だって気軽にできるよ。

私は年に2回、必ず検診を受けるようにしているんだ。そのついでに最新の予防情報も聞けるから、とっても役立っているよ。馬の健康は、私たちの心構え次第で守れるんだからね。

海外の事例から学ぶ

アメリカの大規模牧場の対策

テキサス州の某牧場では、全ての新入馬に30日間の隔離期間を設けているんだ。その間は専用の道具を使い、スタッフも別チームを編成する徹底ぶりだよ。

コストはかかるけど、感染症による損失を考えれば安いものだそうだ。数字で見ると、予防にかける費用は治療費の10分の1で済むんだって。

ヨーロッパ式の自然療法

ドイツの牧場では、感染した馬にカモミールティーでうがいさせる療法が人気なんだ。消炎作用があるから、口内炎の痛みを和らげる効果が期待できるよ。

特別な設備はいらないから、試してみる価値ありだね。ただし熱いままではダメ!人肌くらいに冷ましてから与えるのがコツだよ。

最新研究で分かってきたこと

ワクチン開発の最前線

カリフォルニア大学の研究チームが、新しいタイプのワクチンを開発中なんだ。従来のものより効果が長持ちするらしく、実用化が楽しみだね。

「でもいつになったら使えるの?」って聞かれるけど、まだ臨床試験の段階だから、あと2〜3年はかかるみたいだよ。それまでに私たちができることは、今ある予防法をしっかり実践することだね。

遺伝子解析で分かった意外な事実

最近の研究で、同じウイルスでも馬によって症状の重さが違う理由が分かってきたんだ。どうやら個体の免疫システムの反応が関係しているらしいよ。

うちの牧場でも、同じ環境なのに全く感染しない馬がいたんだ。もしかしたら特別な免疫力を持っているのかもしれないね。こういう馬を研究すれば、もっと効果的な予防法が見つかるかも!

E.g. :馬の 水疱性口内炎

FAQs

Q: 水疱性口内炎の馬に触っても大丈夫?

A: 直接触るのは危険です!この病気は人間にも感染する可能性があるから、必ず手袋を着用しましょう。特に水ぶくれの液や唾液に触れると危険です。私のクリニックでも、感染が疑われる馬を扱う時は防護服を着用しています。もし触れた後はすぐに石鹸で手を洗い、衣服も消毒するのがベスト。愛馬のためにも、自分のためにも、適切な予防策を取ることが大切ですよ。

Q: 水疱性口内炎の治療費はどれくらい?

A: 症状の重さによりますが、3-5万円程度が相場です。主な費用内訳は、診察料・血液検査・抗炎症薬など。私の経験では、重症化すると点滴治療が必要になることもあり、その場合はさらに費用がかかります。でも早期発見なら薬代だけで済むことも多いので、少しでもおかしいなと思ったら早めに獣医師に相談してくださいね。保険が適用される場合もあるので、確認してみると良いでしょう。

Q: 予防接種はあるの?

A: 残念ながら日本では認可されたワクチンがありません。でも心配しないで!虫除け対策や隔離期間を守ることで、感染リスクを大幅に減らせます。私がおすすめするのは、夏場は特に馬房に虫除けネットを設置すること。実際にこの方法で感染を防いだ牧場も多いです。あと、新しい馬を迎える時は3週間の隔離を徹底しましょう。これだけで感染予防に大きな効果がありますよ。

Q: 感染した馬のエサはどうする?

A: 柔らかくしてあげるのがポイント!温かいお湯でふやかしたペレットや、細かく刻んだ干し草がおすすめです。私のクリニックではミント風味のうがい薬を薄めて与えることもあります。口の中がスッキリして食欲が戻る馬が多いんですよ。でも無理に食べさせようとするとストレスになるので、様子を見ながら少しずつ与えてください。脱水が心配な時は、獣医師に相談して点滴を検討しましょう。

Q: どのくらいで完治する?

A: 通常2-3週間で回復します。ただし最後の水ぶくれが消えてから14日間は隔離が必要です。私が診た症例では、早い馬だと10日ほどで食欲が戻りますが、油断は禁物!完治するまでは他の馬と接触させないでくださいね。特に蹄の周りに症状が出た場合は、完治まで時間がかかることもあるので、焦らずに見守ってあげましょう。定期的に獣医師のチェックを受けると安心です。

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